春風の約束

難攻不落の君……3年生の北斗を落としたらレギュラーにしてやる! サッカー部キャプテンとの賭にのった1年の大輝。
……だが意外にも北斗は、この大輝との『恋人ごっこ』に興味を示す。
実は北斗には秘密があった。
それは耳があまりよく聞こえないこと。
そして5年前、ある約束を交わした相手がいて……。
イラスト/陸裕千景子無名の大衆演劇の女形から、超大作映画『ジーザス・クライスト』の主役への大抜擢を受けたキララ。
彼の常識破りの演技は、ヘタながらも心の芯をゆさぶり注目の的となっていく。
一方、ニューヨークで修行をしたスターの中条達彦は、主役を下ろされ脇役にまわされる。
中条は、プライドと実力にかけて、キララを認めることができない。
アクターたちの熱き火花が散り、輝きがスクリーンを彩る!!役の魂が役者に乗り移るのか!? キララの感情がキリストになっていく。
キララの演技は、冷静な計算とテクニックで演ずる中条と正反対だった。
ヘタながら、未知のエネルギーがキララをつき動かし、リアルな存在をつくりだしていく。
ところが、ある時キララの様子がおかしいのに気付いたノベプロの冴子社長たち。
キララが変わった原因は、恋…!?ノベプロダクション祝賀会の壇上で、社長への愛を告白したキララ。
業界は騒然となり、週刊誌は二人を祭り上げる。
一方、ヒートアップする『ジーザス・クライスト』の撮影現場。
キララと中条はお互いをライバル視しつつ高めあっていく。
演技か、私怨か? キリストとユダの愛憎と、キララと中条の愛憎が交錯し、中条は演技中にキララの顔を斬りつけた!ついに完成した『ジーザス・クライスト』。
シナリオでは2時間だった作品が、4時間35分を越える超大作となった。
この長さでは、上映できない。
角丸は実相寺に切れと迫り、試写を見ていた黒岩プロは、見込まれていた興行収入の50億で『ジーザス・クライスト』を買いたいと宣言! そして、そのスター性を確信した黒岩プロはキララ獲得に乗り出す。
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